※ 提供:岐阜大学工学部 社会基盤工学科 沢田・森口研究室
    液状化とは?   
    
 液状化とは、地震によって地盤が一時的に液体のようになってしまう現象です。埋立地や河口など砂質の地盤で起こり、地盤の上の建物を傾かせたり沈ませたりします。

この現象は、1964年の新潟地震で、アパートの倒壊や新設の橋の崩落などの被害が続出したことにより注目されました。最近では、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)でも、ポートアイランド・六甲アイランドが被害を受けて注目されました。



〇 液状化の仕組み

 液状化は、水分をたくさん含んだ砂質の地盤で発生する現象です。 地震が発生する前、このような地盤は、すき間に水をたくさん含みながらも砂粒同士が接触していることによって上に建っている建築物を支えています。

しかし、地震が発生して地盤が強い振動を受けると、今まで互いに接して支え合っていた砂粒は崩れ、固まりになろうとします。

すると、固まろうとする砂粒の間に含まれている水には、周りの砂から力が加えられ、水圧が上昇します。

そして、この水圧(間隙水圧)が、上に乗っている土(たくさんの砂粒や水)の圧力と等しくなると、間にある砂粒にかかる力がつり合い、力が加えられていないのと同じような状態になります。

すると、砂粒は浮き上がり、液体と同じように自由に動くのです。

このようになると、その地盤には建築物を支えることなどできなくなってしまい、建築物は土の中に沈み込んだり倒壊したりしてしまいます。

このときには、側方流動(流動化現象)という現象が起こることもあります。この現象は、液状化した地盤が水平に流れるというもので、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では建築物の基礎が破壊される被害が起こり注目されました。

このように、液状化が発生すると地盤は一時的に非常に弱くなりますが、そのときには、水圧により水が砂とともに地表に噴き出す現象(噴砂)も起こり、液状化が収まった後には以前よりも水分の少ない固まった地盤となります。

液状化による主な被害
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岐阜大学 地震工学研究室