岐阜大学 作物学研究室

Crop Sci Lab. Gifu Univ.


教育研究への取り組み


イネ・ムギ・ダイズなどの作物の生産性・安定性・持続性の向上に貢献するため,作物の生理・生態の解明や栽培技術の開発に関する研究を行っています。大学内のポット試験・圃場試験のみならず,実際の農家圃場でのフィールド調査を基盤とした教育研究に取り組んでいます。海外は,中国,インド,フィリピン,そして,ミャンマーなどでフィールド調査を実施しています。自分の目で物事を観察し,問題解決ができる人材の育成に力を入れています。

研究生活について


作物の生育と共に,研究生活が進行します。実験材料がイネの場合,4〜5月の播種から栽培が始まり,収穫(9月頃)までは,圃場での作物の形態観察や試料の採取となります。播種・代掻き・移植・収穫などは学生・教員全員参加の共同作業です。圃場での試験では,自分の研究だけでなく,お互いの研究をサポートし合う必要があります。収穫後は室内での実験に専念し,卒論までの最後1〜2ヶ月は主にデータ解析をします。ただし,扱う作物の種類や,研究計画によって,研究生活は変わってきます。ゼミは週1回,研究の計画発表や中間報告を行います。また,英語論文のレビューも行います。

卒業生の進路について


静岡県(農業職)(修士卒),豊田市農業協同組合(修士卒),農水省(国家Ⅱ種)(学部卒),愛知県(農学職)(学部卒),西美濃農業協同組合(学部卒),魚津市(学部卒),㈱物語コーポレーション(学部卒)等

研究内容




温暖化してもお米を食べたい!



最近では地球温暖化がイネなどの作物に及ぼす影響が心配されています。イネは,35℃以上の高温に遭遇すると実らなくなる場合があります。しかし,これまで高温に強い作物と考えられてきたこともあって,「高温で実らなくなる仕組み」や,「どんな品種が高温に強いのか」,「どんな条件でどの程度の不稔が発生するのか」といった対策に必要なことがあまり分かっていません。現在は,フィリピン,インド,ミャンマー,中国などの海外をフィールドに「イネの受粉が環境からどのような影響を受けているのか」「高温に強い品種はなぜ強いのか」を研究しています。

イネの開花の様子。



農業生産の最適化
~AIとセンシング技術をフル活用して~



作物の生産性を向上するために,品種の育成や栽培技術の開発が進められています。しかし,研究機関で開発された品種や技術を,実際の農家圃場に導入してもなかなか思い通りにいきません。それは,農家圃場での栽培では,研究機関などの圃場試験とは異なり,土壌・気象・農家の栽培管理などの複数の要因の影響を受けるからです。AIやリモートセンシングを武器に,農家圃場で作物生産を決定づける要因を見つけだし,最終的にはその改善策を打ち出すことを目的として研究しています。

メンバー



教員





松井 勤(教授)

researchmap

イネの高温不稔,受粉生態
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山口 友亮(助教)

researchmap

AIやセンシング技術を使った
作物生産の包括的な理解
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学生



何 景雲(D3)

Studies on soil spectroscopy and machine learning


横山 結衣(D1)

作物モデルとUAV画像を用いた​キャベツの生育および収量予測​


Dai Chen(M2)

Interactive web-application for data analytics on on-farm experimentations​


森 千聡(M2)

機械学習によるコムギ可変施肥の最適化​


山田 貴大(B4)

ケーブルカムによるイネ群落内の微気象・形態の効率的な測定


金元 和奏(B4)

イネの花の形と機能との関係解明に向けた3Dモデリングの利用​


木村 航渡(B4)

作期の違いが水稲の葯の裂開と高温不稔耐性におよぼす影響​


寺尾 愛子(B3)

イネをイネたらしめている形とは?


根岸 悠人(B3)

(未定)​

卒業生(2017年度以降)



Md. Surji Mia(2024年度 博士課程修了)

Studies on precision agriculture for maximization of paddy yield and quality in Japan


Luthfan Nur Habibi(2024年度 博士課程修了)

Modeling site-specific soybean yield response through on-farm research


UMMI MARFUAH(2024年度 修士課程修了)

Assessing the effects of Si avaialability on rice yield and quality in Japanese mountainous paddy fields


MBAH SYLVERLINE OGECHI(2024年度 修士課程修了)

Rice yield variability in Ghana


岡崎 元(2023年度 修士課程修了)

イネにおける減数分裂期と出穂期の高温による不稔


前田 昂星(2023年度 学部卒)

葯と柱頭の位置関係がイネの受粉の安定性に及ぼす影響


望月 咲良(2023年度 修士課程修了)

作物モデルによる農家圃場における水稲収量格差の解析


小島 和樹(2022年度 修士課程修了)

中山間地域における水稲の収量・品質に及ぼす施肥量・土壌特性の影響


和泉 佑奈(2022年度 課程修了)

岐阜県水稲奨励品種の高温感受性の時期と程度の品種間差異​


田邉 良也(2021年度 学部卒)

UAVリモートセンシングおよび機械学習を用いた施肥に対するコムギ収量応答モデリング


何 景雲(2021年度 修士課程修了)

Assessment of spatial variability of soil properties in paddy fields using FTIR spectroscopy and geostatistical analysis


筧 花菜子(2021年度 学部卒)

UAVリモートセンシングによるダイズの水ストレス評価手法の開発


宇野 晏正(2020年度 学部卒)

水田転換畑における窒素施肥がトウモロコシ・ソルガム混播栽培の収量に及ぼす影響


加藤 ひなの(2020年度 学部卒)

岐阜県水稲奨励品種の開花の特徴と高温耐性の品種間差異との関係


ZHOU Xinbin (Southwest University, China 訪問研究員として2019.9-2020.8に在籍)

Assesing spatial variability in wheat yield and quality in large-scale paddy fields


Md. Kamrul Hasan(2019年度 連合農学研究科 Sandwich program修了)

Paddy/Wheat harvesting losses in different harvesting practices


Aung Win(2019年度 連合農学研究科 博士課程修了)

Panicle Inclination Influences Pollination Stability and Floret Sterility in Rice (Oryza sativa L.)


加藤 瑞穂(2018年度 学部卒)

高温水田条件における中国在来イネ品種の受粉特性


河野 友祐(2018年度 学部卒)

大規模区画圃場における小麦の収量・品質の変動要因の解析


渡辺 脩斗(2018年 学部卒)

穂の傾きと群落構造がイネの受粉の安定性に及ぼす影響


深谷 匠(2017年度 学部卒)

高温水田条件におけるインド在来イネ品種の受粉特性

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研究業績




主要な研究成果




イネの開花・受粉メカニズムを解明
高温不稔対策の基盤を構築
論文を読む
高温と微風の組み合わせにより
イネの不稔が誘発される
論文を読む
生育推定AIの中身を見える化
作物学的な知見を獲得
論文を読む
収量予測AIの精度向上に
効果的な入力画像を解明
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業績一覧

研究室での成果を論文や学会発表として発信しています。
各教員のresearchmapから業績を確認できます。

松井勤 researchmap

山口友亮 researchmap

連絡先



岐阜市柳戸1-1 岐阜大学応用生物科学部作物学研究室
058-293-2967(松井) 058-293-2975(山口)
matsuit[at]gifu-u.ac.jp(松井) yamaguchi.tomoaki.t0[at]f.thers.ac.jp(山口)
@gifucropsci

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