現在、相次ぐ食品業界の偽装問題で、消費者の食の安全・安心に対する関心や不安といったものが大きくなっています。私の勤める会社では、「体のためになるからおいしい」や「純正自然」といった言葉をスローガンに、食品添加物を出来るだけ使わないお菓子作りを創業以来100年にわたって守り続けています。食品に興味があった私がこのコースで学んだことは、食品が体に与える影響は良くも悪くも決して小さくはないということでした。食品添加物は見た目や保存性を高め、さらに栄養的付加価値もつけることが可能になり、これだけ多種多様な食品が流通する現在では必要不可欠なものです。一方で、その安全性に対する不確かさやあいまいさも大学で学ぶなかで感じてきたことでした。だから、食品添加物を使わず、食品(素材)そのものが持つ特性を最大限に生かして作られるお菓子は、食品を学び、食品で世の中に貢献したいと思う私にとって運命の出会いだったのではないかと思います。 食品科学コースでは、食品が生体に与える影響や機能を遺伝子、化学分析、動物実験などの手法を用いて学び、明らかにすることができます。また、栄養学や衛生学など食品を扱う者にはなくてはならない知識も得られます。しかし、このコースを選んだ皆さんに一番学び、身につけてほしいことは、結論を導き出すまでのプロセスを自ら考え、組み立て、実行していくことです。食品に関する正しい教養、知識を得るとともに、それを発揮できる場所を自分で作り出すことができる人を会社は必要としています。
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