● Study sites
位山演習林
・ブナ Fagus crenata
・ヒノキ・サワラ Chamaecyparis spp.
岐阜県百年公園内試験地
・ソメイヨシノなど Cerasus spp.
・コナラ Quercus serrata
岐阜大学構内
・ソメイヨシノなど Cerasus spp.
愛知、岐阜、三重;旧東海湖沿岸地域
・マメナシ Pyrus calleryana
富士山試験地
・ブナ Fagus crenata
・マメザクラ Cerasus incisa
位山演習林
岐阜大学応用生物科学部付属 岐阜フィールド科学教育研究センター 位山演習林内
(岐阜県下呂市萩原町)
当研究室は、およそ550本のブナ(Fagus crenata)が自生する位山演習林の第1林班に、2005年に樹冠まで到達可能な観測用タワー(仮設)を設置しました。
この試験地において、タワーを利用したブナ樹冠部の光合成能力の測定の他、開花にかかる繁殖コストの推定、また空間的な遺伝構造の解明や、花粉を介した遺伝子流動の調査などを行っています。
関連リンク
・岐阜フィールド科学教育研究センター
・位山演習林
百年公園内試験地
岐阜県百年公園内
(岐阜県関市小屋名)
岐阜県百年公園内に生育する樹木を使わせて頂き、交配実験などを行っています。
温帯二次林を代表する樹種、コナラ(Quercus serrata)を用い、2006年に人工交配を行いました。
授粉から結実までの発達段階や生存過程を調査することにより、植物の持つ繁殖生理メカニズムを解き明かそうとしています。
この試験地では他にも、サクラを用いた交雑実験が行われています。
ソメイヨシノと、ヤマザクラやエドヒガンなど他のサクラ種との種間交雑や、大規模植栽されている園芸品種から野生種への遺伝子浸透についての研究を行っています。
関連リンク
・岐阜県百年公園
岐阜大学構内
(岐阜県岐阜市柳戸)
大学では実験室内での遺伝分析だけでなく、実生の育成や交配実験なども行っています。
旧東海湖沿岸地域
東海丘陵要素として知られるマメナシ(Pyrus calleryana)は、生育地が愛知県と三重県のごく一部に限られ、絶滅危惧種IBに指定されています。
この種の保全的観点から、小集団における遺伝子流動や、自家不和合性遺伝子の対立遺伝子保有状況とその影響についての調査を行っています。
富士山試験地
富士山南西麓試験地 標高1100〜1200m
西麓斜面 標高800m
(静岡県富士宮市)
富士山南西麓には、分・小集団化が進んだブナ林があります。
太平洋側の他のブナ林同様、この林分でも健全な更新が成されていないことが分かってきました。
この局所個体群を用い、花粉を介した遺伝子流動などの調査を行っています。
また、静岡大学造林学研究室が設置したタワーを用い、天然林での交配実験を行うとともに、連鎖地図の作成など、近交弱勢に着目した遺伝解析を行っています。
朝霧高原の試験地では、自家不和合性をもつマメザクラ(フジザクラ:Cerasus incisa)の局所個体群を用い、交雑実態の解明を行っています。
これら研究により、自家不和合性や近交弱勢が交雑に及ぼす影響を明らかにしようとしています。
この他にも様々な地域で研究試料のサンプリングを行っています。