大震災から100日過ぎても
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月になり、東日本大震災から100日が過ぎても、遠くからでニュースなどでしか知りえないからかもしれませんが、なかなか復興が進んでいないように見えま
す。福島第一原発の事故処理も、もう汚染水が溢れんばかりになっているのに循環冷却のシステムはまともに動いていないようで、予定通り処理が進むのかよく
分からない状況です。まだ行方不明者の数も7千人以上います。原発事故による放射能汚染による避難区域も広がっていますし、ホットスポットがかなり離れたところでも観測されています。
そして、梅雨や台風による大雨があったかと思うと、猛暑日の前倒しの日々
が続き6月とは思えないほど熱中症患者が増えたり、至る所で余震と思われる地震も起こっていて、泣きっ面に蜂、状態が被災地を含め多くの土地でおこり、嫌
になるほどです。湿気と猛暑、被災地を襲うこれからの夏は予想以上の負担を高齢者に与えるだけでなく、感染症の発生も気になります。
6月下旬の35度~40度近い猛暑日が日本各地で見られていますが、7~8月の本格的な猛暑の予行演習とばかりに、節電の宣伝にも力が入っています。中電の「電気予報」
も始まりました。去年は相当暑かったので今年はそれ程でもないだろうと、淡い期待を抱いていましたが、こんなに6月から暑いと、最高気温は去年ほどではな
くても猛暑の期間は長くなるのでは、と恐れています。7月からは東電管区で15%削減の電力使用制限令が発動されて、違反した事業所には罰金が課せられま
す。東京のある大学では、講義室で授業をしている時以外は各研究室のエアコンは使うなとの通知が来ているそうですが、それでいて熱中症には注意せよ、と
も。やっぱり扇風機でしょうか、対策は。
東電の現在の総発電量はいくらなのでしょうか?公式には5110万Kwと出ていますが、これは最大の設備の稼働をしての数値なのでしょうか?ある専門家はある時期の稼働率はたったの44%だ、と述べています。
事故後の発電量は6300万Kwとも出ています。現在はどうなのか?よく分かりません。もう東電の言うことはあまり信用できませんから。本当は原発使わな
くてもこれほど節電を強制しなくてもいいんじゃないの?という感想を持っています。あれもこれも、電力分野は地域独占企業が支配していることに原因がある
と思います。少なくとも発送電分離をすべきでしょう。送電網は開放すべきです。
これからは8~9月の学会は北海道ですべきです。。。
地球温暖化や猛暑や節電のことも昨年もよく言われましたし、今年は原発停止のこともあり、より一層言われるでしょう。
昨年は原発事故がこれほどリスキィなものであるとの認識を持っている人は少なかったので、「地球温暖化対策には原発は必要なんだ」という宣伝というか、教
育がいろいろなされていたと思います。今でもまだそのように言っている人も時々見かけます。でも、振り返ってみて、冷静にかつ批判的にその論調を見てみる
と、どうでしょう、保守でも革新でも関係なく、冷静な見方が出来る人も増えているような気がします。
まず、「地球温暖化対策には原発は良いのだ」というのは、正しいのでしょうか?
毎日マスコミでも原発のメカニズムの解説がなされると、専門家でなくても原発には詳しくなっている人も多くなっているでしょうから、原発は実は毎日大量の熱を出しているのでそれを冷ますために海に余分な熱を捨てているのだ、というのが分かります。つまり、海を温暖化する装置が原発で
ある、ということです。海は広いな、大きいな♪?なんて言っている場合ではありません。原発のある近海は確かに温まっているというデータを見たことがあり
ます。それだけではありません。原発は、発電のためにタービンを回すために大量の水蒸気を作ります。地球温暖化にとって、水蒸気は炭酸ガス以上に温暖化に
強力に寄与しているのだ、という報告が昨年Nature誌に載りました。地球は有限であり、海も大気も有限ですから、水蒸気といえども大量に無制限に出し
て良いはずはありません。バランスを崩す要因になるでしょう。
何十年と国策から「借り物の原発」推進を行なってきたせいで、それ以外のエネルギー技術開発への投資が制限されてきたつけが、今や明白にまわってきています。ヨーロッパ、とくに脱原発を決めたドイツからたいぶ遅れをとりました。原子力を操作するにはまだ100年以上は早過ぎる。人間の持っている科学技術はそれに対応出来ていないのだから、原子力発電は、もし進めたいのならば、国が管理し、研究分野でだけやるべきだと思います。
これからは、猛暑を糧に、みんな様々なアイディアを出し、画期的なエネルギー技術を使えるようになってほしいものです。生命体のエネルギー代謝にもっと学ぶべきです。
(2011.06.30)