三寒四温
この3月は、暖かい日と寒い日が交互に来て、文字通り三寒四温のようなリズムで変化していました。以前、近くの梅林公園に梅の満開を見に行って、そのあと
も暖かい日が続いたのでこの調子ならすぐ桜も満開になるんじゃないか、と思いました。しかし、さすがに気温の変動はそんな単純なものではなく、かなり寒い
日もあって、2分咲きのままフリーズしているような感じです。21日に、いままで行けずにいた白川郷に観光にいってみました。まだ高速道路の1000円
サービスが本格的には始まっていませんでしたが、国道156号線は非常に空いていて、岐阜から白川郷まで2時間半ぐらいで行くことができました。ちょっと
予想外で、数年前の春にやはり白川郷に行こうとして国道156号線を北上していったら、途中渋滞にまきこまれ、3時間経ってもまだ半分も来ていないという
状況で、やむなく引き返したという経験がありました。このときは、始めは東海北陸自動車道で関から入って郡上白鳥辺りでひどい渋滞にあって、途中で国道
156に下りてから行ったもので、まったく無駄な数時間を過ごしてしまったものでした。そんな痛い経験があったり、他にも高山から白川郷に行こうと思った
時にたまたま台風か豪雨の後で高山から白川郷へ行く道が通行止めになっていて、結局あきらめたという経験もあって、白川郷は鬼門でした。
それが、今回はな
ぜかあっという間に白川郷に着いてしまったので、やはり1000円効果かな、と思ってしまいました。でも、白川郷に着いたとき、観光客はたくさん来ていて、
駐車場に入れるのにかなり待たされました。殆ど、高速道路を使って来ているのでしょう。これが、本当に1000円サービスが始まったら高速道路はかなりの
渋滞になるのでしょうね。21日の時も、東海北陸道路は夕方4時頃で3Kmの渋滞とラジオから聞こえていました。高速料金が安くなるのは大変結構なことで
すが、今回のサービスはETCを装備した自家用車で土日祝日のサービスと限定的ですから、あまり日本の経済を全体的に底上げするのには役に立たない気はします。平
日も、トラックでも使えるようにしないと、物流経済には影響は少ないでしょうし、月の半分か、あるいは週のうちの木金土だけを、すべての高速道路料金が無
料になれば、物流経済への効果は大きいのではないでしょうか。
良いことも悪いことも振動しながらでも、三寒四温でだんだんと春に向かっていくように、だんだんと良い方向に向かってくれればいいんですけどね。
先日あったワールドベースボールクラシック(WBC)、結局侍ジャパンが韓国と5回も戦って、3勝2敗でしたが勝って優勝し、2連覇を果たしました。サッ
カーのワールドカップとは規模がだいぶ小さいですから、同じところと5回も戦う羽目になったわけでしょうが、しかし近年になく盛り上がった試合でした。
キューバとアメリカにすんなり勝ったのは意外なほどでしたが、韓国の強さをみると、野球は、というか、ベースボールでも、日韓2強時代が来たのか、と思わ
せるほどです。それにしても、あのイチロー選手の状態をみると、何か哲学的とも思えてきます。
30日のテレビの報道ステーションで、義田氏がイチロー選手にインタビューしていたのを流していました。
そこでは、あのWBCでのイチローの苦しみ、最後のセンター前ヒットの決勝打に至るまでの思い、回りの選手たちの思いと交流が、よく出ていたと思います。最
後の打席で、韓国の林投手は結構きわどいコースをついていて、それをイチローはファウルしていました。低めの難しい球をファウルできたことで、イチローは「打
てるという感覚」が降りてきた、と思ったらしい。そこで、雑念が消えて、最後の球に集中していけたと言っていたと思います。その、「どんな球でも打てる」、という感覚が出てきた
からこそ、その球を真芯で捕らえて、センター前に弾き返すことができたのでしょう。もしその場面でも、初回のイチローのような状態であったなら、恐らく凡打しか
できなかったのではないかと思います。でも彼にはできた。だからこそ、彼は千両役者なのでしょう。
そのイチローの言葉を聞いて、かなり共感できましたね。自分でも、そのような時、うまくいっていないときに、努力しても努力してもなかなか報われないときに、最後に、それもうまくいかなかったらもう退場しかないというようなときに、ふと、できてしまった時の、感覚。
耐えに耐えた後、梅や桜の花が咲く、というまさにこの季節の花のように、三寒四温のこのリズムにそって、イチローは花を咲かせたのでしょう。いろいろ考えさせてくれる試合でした。
(2009.03.31)