寒さの中のノスタルジー

  今年の1月は、例年になく寒く、1月末は平成18年豪雪に匹敵するような降雪になっているようです。これも北極バレンツ海の方の氷が融けていることが(つまり温暖化が)原因らしいという説が出てきています。これでは地球温暖化ではなく、局所的温暖化と寒冷化が入り乱れているのではないのか、と思ってしまいます。

 窓から降りしきる雪を眺めていると、なぜかノスタルジックになります。

 1 月の中旬頃、テレビで由紀さおり特集が放送されているのを観ました。由紀さおりが「1969」というアルバムを、アメリカのジャズ・オーケストラのピンク マルティーニとのコラボで出して、それが世界中ですごい人気になっているという話でした。1969年は、私が大学生になった年で、下宿で一人暮らしを初め て体験した年でした。その頃、ラジオで聴いた由紀さおりの「夜明けのスキャット」ほど、印象深い曲はありませんでした。今でもこの歌を聴くと(YouTubeなどで)すぐノスタルジーに浸れます。これが40年経って世界に受け入れられて来たということでしょうか。ま、一人のファンとしては大変喜ばしいことです。
  思えば、この1969年ごろというのは、様々なものがるつぼの中でぐつぐつと溶け合いつつ、分化していった時代だったという気がします。歌の世界で言う と、フォークソングや歌謡曲、ニューミュージックまで色んな歌が、さながらカンブリア時代の生物種の大爆発のように、世に出てきたように思います。
 何もかもが、熱狂だった時代。このような時代の初めに「夜明けのスキャット」が生まれ、流行したわけです。歌詞の中にある、「・・この世は止まるの、・・時計は止まるの・・」というのは、いかにも熱狂の時代の心象に合っているように、今でも思います。

 いつものように忙しいこの1月~2月を、時々ノスタルジックになって、心を穏やかにして、乗り切りたいと思います。

(2012.1.31) (忙しくアップロードを失念していてほぼ1週間遅れのメモです)