夏の点描前半

 腰痛も癒えて、7月末の定期試験期間も終わり、いっきょに夏へ、となりました。温度だけなら7月の酷暑もすごかったのですが、8月にはいっても緩む気配が、まだ、見られません。7月下旬は、前半に出したいくつかの助成金等の申請の審査結果が判るときでしたが、う〜む、1勝3敗というべきか、予想は2勝2敗でしたのでちと残念。それにしても、予想されたとはいえ、国立大学が法人化してからというもの、聞こえてくるのはお金の話ばかり。大学を激しい競争的環境に投げ入れて残るべきところと淘汰されるところを峻別していくのが、当初の目論見なので、当然の流れ。そこには、本気で科学技術の裾野を広く厚くして、夢のある高等教育システムを育てていくという流れの実体が見えてこない。くるわけない。

 それに輪をかけて大学での科学研究にもいろんな障害になる動きも見えてきました。特許戦略(プロパテント)が、普通の大学での研究の足を引っ張るような動きが。あと、国立大学法人の運営交付金を今後も減らして、その分競争的資金に回すというもの。このような動きは、ネットワーク理論からすれば、当然一人勝ちの組織を小数作って、あとの大部分を貧しくするようになるのは、これも自然な成り行き。そして、ますますバランスが悪くなる。大学での人材育成や研究というのは、「教育ビジネス」とは言っても売った買ったの商売とは一味違うので、一人勝ちをちょっと作っても全体の発展にはさほど寄与できないのは、歴史の教えるところ。科学技術立国という立派な政策を上では唱えながら、細部のほころびというか不具合への手当てはぜんぜん進まないというのは、先ほど起こった某電力会社の原発での事故の構図とどこか似ている。あと、日本学会事務センターの破産問題も、学会運営に関係するものには頭にくるものですね。

…また繰り返しになりますな。こういうのをひと時でも忘れるのが、夏休みのいいところ。

 ということで、今年はわけあって、5日に軽井沢まで車でかけてきました。もちろんこういうところへ、我が家だけで行くわけがなく、親戚等で集まって複数家族で行くと安上がりになり面白くなることになっている。そんなリゾートシステムがあるのですねぇ、そこには。さすがに北軽井沢のほうは、日中でも20度台半ばぐらいで、朝になると靄が出るほど涼しい、というのはさすが。左上の写真は、そんな靄のかかった朝日を浴びた散歩道の風景。(北軽の/息づかいかな/朝のもや

 そこに2泊して、土曜日に松本から安房トンネルを抜けて高山に出て、41号線で帰ってきました。その途中、豪雨に会いましたが、なんとか長良川花火大会の時間に間に合って、帰り着きました。ところが、花火大会が始まろうとする6時過ぎから、岐阜市の上空には大きな雷雲が出てきて、激しい雨だけでなく、最近にないほどの激しい落雷が始まってきました。結局、花火大会はそのときは中止となり、翌日再開されましたが、いや〜集まった皆さん、びしょぬれでご苦労様でした。その雷さんは、すごくて、まるで長良川花火大会に嫉妬して自分の光の豪華さを示したがっているかのような、そんな華やかさでした。左の2枚目の写真はそのとき上空に向けてデジカメで取った、一瞬の、下側の雲から上側の雲への火花の走りです。こんなのが立て続けに起こっているのですから、自然の「花火」ならぬ火花でして、花火大会のように見とれておりました。(雷雲の/花火麗し/長良川

 さあ、そしてアテネオリンピックが始まり、どんな面白いゲームが見れるか、楽しみです。(あ、高校野球もあったか)早速12日から寝不足気味です。それから、合併問題(銀行、プロ野球)の進み具合も大変興味深いことも背後で進んでいるので、目が離せませんな(結局全体として減少傾向があるので合併は自然な流れですが、それはしかし、全体の減少傾向を決して改善するものじゃありませんがね。Jリーグ方式の3リーグ制がプロ野球にはいいんじゃないかな、と思ったりする)。以降、夏の点描後半へ繋ぎます。

(2004.08.13)