和みの五月と不安定さ
昨年の3.11東日本大震災から1年と2ヶ月が過ぎ、復興に向けて本格的な計画の運用と話し合いがようやく始まってきたように思います。そうすると、震災
前から不景気で金回りが悪いこの日本において、一層悪くなってくると、消費税増税論議が姦しくなり、電気料金値上げの話しも出てくるし、公務員給与を減ら
す議論も起きてきています。それと、国際的にはユーロ圏でのギリシア問題に端を発する分裂の危機が先鋭化しつつあります。もう1ユーロが100円を割って
きています。FaceBookの
株価も期待に反して上がるどころか、下がってきています。もともとFaceBookってさほど益を生み出すようなものじゃないと思っていたので、そんなに
皆が政治経済的に期待していることが不思議でした。FaceBookって、昔からパソコン通信をやっていた人たちにしたら、言うなればコアラのような実名ネットワークの掲示板やメーリングリストのようなものでしょう。やっている人が楽しんでやっていればいいような世界でしょうから、過度な期待はできるようなものではない。
そんな世界が不安定になっている中、日本では金環日食が5月21日に起こり、多くの人がこの天体ショーに酔いしれ、不安も一時忘れて全体的に和んだ空気になったよ
うに思います。季節も木々の緑が爽やかに見える季節になり、自然を楽しめる雰囲気になりました。この金環日食は、私の家でも例外ではなく、多くの家で日食
用メガネを使って観察されました。多くの綺麗な画像も多くのサイトで見ることが出来ますが、私自身はスマホのカメラを使って撮ろうして失敗の経験をしてし
まいました。周到に準備しなきゃダメですね。代わりに、その金環日食の時の市内の風景だけを右に上げておきます。
かなり薄暗い感じで、部屋の中は相当暗く感じるくらいなのですが、肉眼で外を見ただけでは薄暗さをあまり感じない程度で、このような薄暗さをどう表現したらいいでしょうか?皆既日食の時は、ほぼ夕暮れに近い感じになるので、薄暮という表現でいいように思いますが、この金環日食の薄暗さは、薄暮よりはだいぶ明るい。薄暮の18分前、というような感じでしょうか。「金環暮」なんていう表現もあり、かな。
まあ、めったにない現象なので、俳句などの世界でもそのような表現はまだ、創りだされていないかも知れませんが、ちょうど、ユーロ圏の薄暗さ、不安定さも「金環暮」に近いかも知れませんね。金環程度の希望、というか。皆既日食程度というわけではないし。。
その週末にたまたま学会で岐阜に来ていた大学の時の友人と会いまして、あと4年足らずで退官だね、という話になりました。分かっているけど少し不安、とい
う感じは金環食の薄暗さと通じるものがあるように思いました。でもやりたいことはまだいっぱいあるね、というのも共通の感覚。幸い国立大学からは離れるこ
とができるので、もっと現場に近いところで人々に寄り添えて貢献できるような何かをやれればいいな、などと考えたりしますが、どうなるやら。期待と不安が
入り混じった、ちょうど「日食の数日前」ような感覚になっているのが、今。
(2012.05.31)