メッセージの出し方・受け止め方
あれから4年経った今、またFIFA WC
のまっ盛り。この頃は、朝5時起きがフツーになって、試合の後半を見てから朝食する、という習慣になってきました。日本xブラジル戦が行われた金曜日の2
時限目の2年生の授業では、いつもより最初の出席率が悪く、少し早めに教室に入って開始の準備をしている間、いつもよりざわついているノイズからは、
「・・ジーコは・・」「・・中田は・・」「・・川口は・・」が明瞭に聴き取れて、授業スタートの合図のタイミングを取るのがやっかいでした。仕方ないので
「残念だったけどね、またこれからもあるからね・・・」などと皆に呼びかけ、少し静かになるのを待つしか、ありませんでした。
この、世界的なお祭りは、様々な人々に様々な影響を及ぼします。4年前、グループリーグを初めて日本代表が突破した時と比べて、日本は弱くなったのか、
あるいは他の国々が強くなったのか。このGLでの勝ち無し敗退は、いったいどんなメッセージを発したのか?次の代表監督名をリークする前に、そのメッセー
ジをしっかりと吟味して詳細に方策を考えて欲しいなぁ。
吟味するのは、まだ決勝リーグが残っているのでそれらをしっかり見て、世界レベルの戦い方を学んでからでも遅くは無いはず。あの中田ヒデ選手の、試合後
の何分間かの倒れこみの映像の発するメッセージも、しっかりと受け止めるべきだと思いますね。彼の気持ちが理解できれば、あの行為を責める事はできないで
しょう。昔からの課題ではありますが、個の能力と組織として戦う能力の統合、
これはサッカーだけではなく、一般社会での活動での課題でもあります。彼は、色々な記事を見ますと、あまり具体的メッセージを出さない監督と戦う意識が
弱っているメンバーとの間に立って、相当に苦労していたようです。彼は、自分はどう振舞うべきかをよく考え、理解していた選手だとすると、あの倒れこんだ
映像のメッセージは、恐らく彼の意図が現れていたものと考えたいですね。疲れと悔しさの極限の状況で、この8年間やってきたことの集大成がこの程度の成果
でしかなかったのはなぜなのか、真剣に考えたい、というメッセージと受け取りました。マイクの前で饒舌に語るより、この無言での行為は有効なメッセージと
して働いたのではないか、と思いました。
それにしても、体力、運動量、高さ、速さ、強さ、正確さ、のどれをとってもまだまだ16強になるのは難しいとは思いますが、ただ個のこれらの力の一部は
4年前よりはある程度良くなっていたのではないか、と感じましたが、個と個を繋ぐネットワークの組み立て方と理論、組織化と意思統一性などでは弱くなって
いた感じはしました。この後者は、まさに監督の仕事の領域。ここは、次の監督やコーチに期待するしかないわけですが、○シムさんやピク○ーの話が出ていま
すが、大丈夫でしょうかね。僕は前ASモナコ(仏)の監督だったデシャンDeschampsのような理論性とダイナミック性に期待している
のですがね。体でどうしても負けるようなら、組織性や理論やクレバーさで勝るようにしなければ進化しないでしょう。個の体力、運動量というのは、基盤であ
り重要なのは言うまでも無いのですが、パソコンでいえばOSのようなものですがアプリケーションのアルゴリズムはそれに劣らず重要なことと同じです。それ
が理論性、組織性ということです。
今後も色々WCを機会に、学んでいきたいと思います。
(2006.06.26)