急 変する風景

 10月、後学期が始まった頃は、まだ平年よりも3℃ぐらい高い日もあり夏の名残の中で授業をやっていた印象でしたが、 中 旬から急に温度が下がり上着が必要になり、小さい秋が急に大きくなった感じです。
 この辺りから、大学内特に工学部のまわりでは新しい建物の新築工事が始まり、工事車両がひっきりなしに入ってきたり、駐車場も立入禁止のところも増えて、 騒々しい風景になっています。工学部北東隅にあったテニスコートは綺麗に表面のクレイが剥がされ太い杭が打たれ、新しい実験機器棟の建設が始まりました。その ため周りのインフラの工事のために道路が掘り返され、雨の日などは土になった道はぐじゃぐじゃで、遠くにある遺伝子実験施設のMS装置を使いに行く時などは難 儀です。それでも気持ちのよい秋の日などは、ちょっと遠回りして散歩の気分を味わえます。
 この10月は台風も多く発生して、伊豆大島などでの土砂崩れや大雨の災害も多くありました。16日には台風が東海地方にも接近して、実に久しぶりに午前中だ け休講という措置が取られました。その時2限目の授業を担当していましたが、朝9時頃には雨も上がって穏やかになっていたのに、7時までに警報が解除されな かったので大学としては規則通り「午前中休講」というアナウンスをすることになりましたので、さあ、来週の授業をどうしようか、悩むことになりました。去年ぐ らいから授業は制度として16回(16回目は定期試験)やることになっているので、授業が1回潰れるとほとんど予備の日がなく補講をする日程を組むのが大変な のです。私のその授業は以前から15回で終了するようにしていましたから、16回目に補講をしてもよかったのですが、結局その1回分は「自宅学習」をやっても らうために試験問題をレポート課題として出して時間を使ってもらうことにしました。以前大学院入試に使った問題の一部で少々難しい面のあるものだったので、学 生は1時間ぐらい使ってテキストも見ながらじっくりと解答してくれるかな、と期待したのですが、やはりというか、あまり考えないで書いてくる学生が多く、でき は良くありませんでした。期待通りには学生は振る舞わないものです。
 
 さて、最近ではスポーツではサッカーよりも野球をテレビ観戦するほうが多くなりました。サッカー日本代表の不甲斐なさの影響や、楽天の田中将大投手の神がか り的な活躍や東北を応援したいという気持ちもあったためだと思いますが、日本シリーズは緊迫感もあってなかなかいい勝負をしていると思います。楽天の優勝ポイ ントセールがあったりしましたので、これを機に、楽天で耐震ラックやカバンなど以前から買いたいと思っていたものを注文しまして、楽天の活躍のおこぼれに預か りました。恐らくこの期間、全国の宅急便屋さんも大忙しだったのではないでしょうか。11/1の時点で楽天あと1勝すれば日本シリーズ優勝となるので、またま た大セールの準備をしておく必要がありますな。
 その前の10月初旬にあったノーベル賞発表イベントでは、今回は日本人の受賞が無かったのでマスコミ報道もあっさりしたものでしたが、物理学賞(ヒッグス 場)、化学賞(計算化学)、医学生理学賞(膜輸送・・Südhofさんら)はいずれも結構馴染みのある分野なので、楽しめました。この発表イベントは、リアル タイムでの中継(YouTubeでも)があるので、その緊迫感も結構楽しめます。マスコミ報道の準備も相当なものでしょうから、日本人受賞がないときのがっか り度は一般市民の想像をはるかに超えていると思いますが、その後の報道はあっさりし過ぎでしょう。もっと時間をかけて色々解説する機会をマスコミが作ってくれ れば、もっともっと科学への興味を呼び起こすいい機会なのですから、日本人の受賞がなくてもしっかりとフォローしてほしいと思います。


(2013.11.1)