冷夏から酷暑への文月

 この七月は、七夕のころは結構涼しいという印象でしたが、後半になって全国的にも35度前後の酷 暑が続いています。今年は、5月が平年より暑くて、6~7月前半が涼しく、7月後半~8月が暑いという流れのようです。エルニーニョはどうなった のでしょう?どうも冬までエルニーニョ現象は続 くようですが、日本ではその特徴はあまり出ていないんだそうな。この酷暑は8月下旬には収まってほしいと願っています。
 暦の上ではもうすぐAugustですが、当初学生の就活は8月から大手の内定が出てくるだろう、と考えていましたが、実際はどうでしょう?この周りの学生さ んたちの様子を見ると、ほとんどの学生は大方就活終了という状況で、内定は貰っていてもまだ就活は続けているという学生はほんの僅かです。大手用の8月の就活 は辛そうです。就活にもクールビズが必要じゃないのかな?
 それにしても、今年の就活の後ろ倒しのやり方(8月以降に内定出し)は、学生にとっても酷だし落ちたら9~10月まで掛かってしまうし(そうしたら卒業研究 あまりできないし)、却って長丁場になってしまうし、で、あんまり良い方針とは言えなくなっていますね。

 最近特にそうですが、昔から政財界が出す新方針というのはどうもうまく いった例が、あまりないんじゃないでしょうか。

 「ゆう活」などということを厚 労省が言いだしていますが、朝早く仕事場に来て、夕方は早く帰って生活を家族で楽しみなさい、という方針らしいのですが、身内 の女性議員さんからも批判されているようです。「夏時間」制度すらできないこの日本で、ゆう活など無理というものでしょう。私は朝は早く7時過ぎには研究室に 来ていますが、夕方5時に帰るなどということは無理ですからね。やはり、7時ごろまで居てしまいますので、一般の職場でやったら、かなりの長時間労働になって いく のではないかな、と思います。ただ、若い会社員のために朝食を会社で用意して、早く会社に来てもらうようにして、夕方も早く帰らせるようにする、という会社が あるということが先日テレビで言っていましたので、それはいいかもしれないです。独身者には良いでしょうね。大学でも生協が朝食制度を(7時~8時:250円 ぐらい の朝食定食;大学からの援助必要)始めたら、8時15分ぐらい から授業 が始められるかもしれませんし、そしたら5限目も夕方5時半には終われます。
 次期の東京オリンピックに向けた新国立競技場建設の問題も、そうですね。これまで600億円ぐらいで出来ていたよそのオリンピックのメインスタジアムが、あ とで 計算してみたら2500億円(当初予定は1300億)を超えていたなんて、とても信じられません(結局見直しになったので良かったですが・・・)。ちゃんと当初から計算で きなかったのでしょうか。こういう問題は、優れた事務官僚組織 を持っていた日本では起こるはずがないと思っていましたから、唖然としました。事務官僚組織の劣化なのでしょうか。どっかの局長を更迭しただけでは済まない、根の 深い問題なのかもしれませんよ。
 大学に対する「文系減らし要求」(つまり教養減らし)とか「グローバル化要求」とか、「職業訓練校化要求」とかも、うまくいくとは思えません。それで学生も 大学も社会も活性化するとは思えない。大学に対して、グローバル重視  か、ローカル重視か、はたまた苦し紛れのグ ローカルなども言われていますが、これも的外れという感が否めません。もともと、大学は、ユニバーシティなんですから、ユ ニバーサル化というのが本来あるべき方向であり道なんです。地元地域(Local)も、地球(Global)も、宇宙 (Universal)も、学ぶべき相手であり活動する場所ですし、老いも若 きも、文系も理系も、右も左も、金持ちも貧乏人も、頑強なものも障碍者でも、あらゆる人々が集い交流し多様な知を創造継承していくところが、ユニバーシティな のでして、一部の金持ちの子供だけが集まって卒業資格を貰える場所ではないはずなのです。半分ぐらい、「朝 食と授業料を無料にした」大学(ただし成績の悪いものには直ぐ去ってもらう)を目指したっていいじゃないですか。それが、ユ ニバーサル化の一歩でしょうし、それができたら世界中から学生がやってきますよ、きっと。

 暑いと色んな妄想が湧いてきます。31日から酷暑の中を旅行に行きま す。東北でも36度らしいですな。


(2015.07.30)