後学期の開始

  9月下旬慌ただしく過ごしていたらメモをアップするのを忘れてしまいました。そして、後学期が始まってしまいました。定年前の最後の学期となります。10月に入って、急に 涼しくなりましたし、快晴の日も多くて、晴れやかな秋の日々を堪能できそうです。
12日の体育の日にも、良い天気のもと、金華山に登山してきました。1時間足らずの登山でしたが、さすがに久しぶりの登山だったので(由布岳登山以来か)、岐 阜城の入り口に辿り着いたときは足が笑ってしまいました。もっと足腰を鍛えておくべし、と反省。

 そんな中、10月5日と6日のノーベル賞の発表では、医学生理学賞が大村智先生(と他2名)に、また物理学賞が梶田隆章教授(と他1名)に授与されることが 発表されました。それで、ちょうど概論科目の授業が9日にあったので大村先生の業績について紹介することができました。大村先生に関する報道を見るたびに、野 口英世の粘り強い生き方と業績が思い起こされます。また、同時受賞されたキャンベル博士が、メルク社にいたときに大村先生との共同研究によって作り上げたイベ ルメクチン薬が、多くの寄生虫病の克服に役に立ったということが今回の受賞の直接の切っ掛けであったことから、企業との良好で粘り強い共同研究を成し遂げるこ との重要さを、改めて考えます。この薬について、報道では「アフリカなどで無償供与され、世界で年間3億人を失明の恐怖(河川失明症)から救っている」と言わ れているように、1960年頃にメルク社がヒト用のメクチザン薬として開発し、87年に1200億円を注いで無償提供がなされたことが、多くの患者に福音をも たらしたとされています。その行動がきっかけでメルク社の評価は大いに高まりました。しかし、94年頃に発生したVIOXX事件によってその評価は一転して地 に落ちました。最近は多くのグローバル製薬企業について悪い話が多い気がしますが、昔は良い話も多かったのです。その背景には、恐らくグローバルな競争の激化 があるものと思われます。
 このことは、最近のVW社の不正問題にもつながる問題でもあります。競争ストレスは人間の人格をも変えてしまう。それに抗う人間もいる。その辺りの事を描い たドラマ「下町ロケット」が18日から始まりました。昨年、本で読んで大いに楽しませてもらった池井戸潤氏の代表作のテレビドラマ化です。今後の展開も楽しみ です。

 卒業研究も佳境に入ってきました。うちの卒研生は夏休み前に皆内定をもらい9月下旬ごろから卒研も本格化しています。今年は、就活が表向き「後ろ倒し」に なっていたせいで、就職活動がかなり長期化している人もいるようです。それに対して経済界から反省の声も聞かれて、来年度は6月から内定を出せるように少し前 倒しをする方が良い、と方針の変更を望む声が出てきています。今回の後ろ倒しは失敗だろう、と以前のこのメモでも書きましたが、一昨年並みに戻して6月頃には 大部分就活が終われるようにした方がいいとおもいますね。この方が、三方よし、でしょう。
 卒業研究も、あと半年足らずで研究室を畳む準備をしながらやらないといけませんので、色々制限があってやっかいです。でも、まあ、やれるだけのことはやれる ように配慮しながらやっています。

 この雑記メモも、どこで区切りとするか、悩みます。というのは、12月までに自分の退職記念誌を作る予定で原稿を作っているのですが、この雑記も入れてデジ タルでも出版しようと思っていますので、12月初めにはこの雑記を一応終えようと思います。切りのいいところで、175号を最終にしようかな、と思っていま す。


(2015.10.20)