新型フルと初孫

 この5月は新型インフルエンザH1N1に対して、全国的にピリピリしていた時期でした。
こ の時期の京都観光や大阪・神戸観光の修学旅行が、相次いで中止になり、また人の移動が控えられて、観光事業が大きな打撃を受けただけでなく、経済活動にも かなりな影響があった模様です。神戸での新型インフルエンザの発症事例が発見されてから、高校生を中心に神戸大阪で数百人に上る感染者が出たことが確認さ れましたが、他の地域では東京川崎など人口が多い割にはあまり感染者が報告されていません。隠れた感染者は相当な数に上るだろう、との予想もだされていま したが、結局発熱外来に行って検査を受けない限り、「感染者」の確定にはいきません。熱が出ても、3日ほどで治るようなので、あまり普通の風邪との区別が つきにくく、寝てれば治ってしまうので、医師にかからないケースが多かったのだろう、と想像できます。
 この新型インフルエンザ、略して新型フル としますが、日本では新型インフル、と書かれることが多くなっています。ただ、インフルと書くと、経済用語のインフレとちょっと見には紛らわしいのであま りなじめないので、ここでは海外の例に倣ってフル(Flu)とだけ書くことにします。
 この新型フルは、感染力は結構あったように見受けられますが、最初の検疫強化の方針でどれだけ効果があったのかは、疑問です。実際、厚労省の検疫官自身も批判している文章を見かけます。しかし、アメリカやメキシコなどではこのH1N1Fluで死者が出ていて、妊婦や慢性疾患を持っている人は要注意、ということが言われていましたので、ピリピリと注意深くなっていたのはやむを得ないとも思えます。
  そんな中、5月12日に僕にも初孫が誕生し、娘とその孫が僕のマンションで一緒に暮らすという生活が始まりました。大学という不特定多数の学生と顔を合わ す環境にいる手前、家に帰るといつもよりは丁寧に手や顔を洗浄することにしていました。おそらく新生児のいる家庭では、結構注意しているものと思います。 もう20何年ぶりにやる沐浴なんぞを毎晩やることになって、ちょっと僕が腰を痛めたようで、やなり年のせいで慣れないことをやるとどうもいけませんな。
 それにしても、初孫といっても新生児を扱うのはこれで3度目ですが、だいぶ年を取ってから経験する「命の誕生」というは、若い時より何か深い感動があります。また段々と、新型フルではないですが、いろんな心配事も増える、ということでもあります。
 

(2009.05.29)