たすき(襷)渡し


 アメリカ大統領選挙、ようやく終わりましたね。この話題は、後に書くとして、まず、EKIDENの話題から。

 先日(12月10日)、岐阜では全日本実業団女子駅伝大会が行われました(タイトルはこのことと関連します、って言わなくてもわかるか)。期待していた高橋尚子選手の走りはみれませんでしたが、それでも山口選手とか一流のランナーがでていたので、小雨の降る寒い日でしたが見に行きました。第5中継地点、加納地域で岐阜駅から南西の方向歩いても15分ぐらいのところですが、そこで、山口選手、小出選手、土佐選手、などが最長区間を走り終わるところを見ていました。大勢の人垣の中に混じって旗を振りながら。

 選手によっては、もう死にそう、というくらい喘いでいる選手や、ぼーっとしてしまう選手などが多くいる中で、さすが、山口選手や土佐選手は、すぃーっという顔をして係員の指示に従って道路に張ってあるロープをくぐって外にでていきました。(私が待っていたすぐ近くを通っていきましたので、表情はよくわかりました以前にテレビで見ていると山口選手ってだいぶ大きな選手という印象でしたが、近くで見るとだいぶ華奢なんですね。。。)

 あれだけ激しく心臓と手足の筋肉を使って酸素を激しく消費している選手でも、一流になると、ちゃんと頭も使って駆け引きなどをできる余裕をもって頭脳もかなりクリアな状態で走っているんだな、ということが実感できました。酸素の使い方の調節がうまいんでしょうね。

 さて、これは、駅伝でしたが、駅伝といえば、私はちょうど10年前の1990年、パリに留学(単身赴任)していた時のことを思い出します。その年の10月下旬に、パリで国際駅伝大会なるものが行われ、確か日本人会のミニコミ紙でEKIDENという風にちょっと宣伝がしてあったので、知ったのでした。そして、その日は寒く嵐のような天気の最悪のコンディションの日(選手にとっても応援する方にとっても)でしたが、コンコルド広場の中継地点に見に行ったのです。ただし、通過スケジュールなどは詳しくは知らなかったので、ほとんど人がいないその場所で、ただ係員とおぼしき2,3人が椅子などを整理していたので何かあるな、とわかる程度の様子でした。しかし、なかなか待っても選手たちがこないので、しびれを切らし、近くの「札幌ラーメン」の店に行って暖かいラーメンを食べたのでした。そして、30分ほどしてもどってみたら、もう過ぎた後らしく、数人の人がいる程度で、嵐の中係員が後片付けをしていました。その時のすごく寂しい印象が強く記憶にのこっています。パリではEKIDENは全然人気がないんだな、と。

 今回、岐阜では単身赴任の身軽さからEKIDENを見に行きましたが、その寒さの中での様子から、10年前のパリでのそのEKIDENの思い出がまざまざと蘇り、雑記を書きたくなったという次第です。(やっぱり、テレビでみるのがいいな)
 

 さて、そのEKIDENから、今度は、アメリカ大統領選挙ではようやく歌劇オテロのような裁判劇が終わり、民主党から共和党ブッシュにたすきが渡ったようです。去年の今頃は、Y2K問題ではらはら(というか、「なるようになるさ」的に)していましたが、今年は外国の選挙結果に気をもんでいました(って言っても結果はほとんど分かっていたわけだけど)。ゴアが「敗北」を認めた演説では、負けたことをどう表現するのか、興味がありました。同時通訳の人は「敗北を認める」と表現していましたが、実際は「I offer my concession」。なるほど、「道を譲ってあげます、お先にどうぞ」的な「高尚な」表現になっていますね。(もちろん心の中では、あの女子水泳選手のように「めっちゃくやしいぃぃっ」という感じなのでしょうが…)

 このトラブルがきっかけになって、21世紀にはハイテク選挙システムができるかどうか。あのパンチカード式投票は、もう、20世紀に残してきてほしいものです。21世紀に持ってくるものではない、と思いますね。と思ったら、新聞にNTTデータがタッチパネル式投票機械を作ったことが報じられていました。今後、セキュリティなどいろんな面で検証されていくことでしょう。

 さて、そうこうしているうちに、あと2週間ほどで21世紀にたすきが渡ります。21世紀と聞くと、私などはSFで盛んに書かれた世界、「宇宙の旅」や「アトム」などの世界、をすぐ想像して、わくわくするのですが、しかし、単身赴任のこの小さなアパートで考えていると、なんだかなぁ、と感じるのですね。確かに、10年前には無かったことで、インターネットでこの小さなアパートの6畳の部屋も64Kbpsで無線で世界と繋がっている(テレビはなくても…)、のですけれど、ね。(あ、この文章、アパートで書いていましたので…)

 今世紀最後だとか、新千年紀だとか、世紀の数字は、とーんと1つ増えるけど、実は1日1日が過ぎゆくだけ、当たり前だけど相転移のような大きな遷移はありません。科学技術では、< http://www.nistep.go.jp/press/001207.html  >のようなサイトで21世紀の科学技術の夢を載せていますが、大きな夢を見たいものですね。

2000.12.16)「今世紀最後の雑記、、、」