散り急ぐ桜

3年前は、桜の見ごろ、特に薄墨桜の満開は4月の15日ごろでした。しかし、今年はそれよりも1週間ぐらい早く、いつもよりだいぶ暖かい感じを持っていましたので予想はされたのですが、もうだめかな、と思いつつも、18日に下呂の苗代桜を見に行きました。例年ならば見ごろの時期なはずでしたが、、、。見事に完璧なまでの、葉桜でした…。花びら一枚残っていない。そんなに散り急ぐことは無いのに、…と思わずぼやいておりました。この苗代桜は、そのすぐ横に水を張った田んぼがあり、それに映る桜と対を成して咲く満開の銘木が美しいとされています。負け惜しみではないですが、葉桜の緑も水面に映って、たいそう美しい形を成していました。

というわけで、苗代桜はすぐあとにして、郡上八幡に戻って、またうなぎを食べて、yakko odori, Gujo Hachiman 春祭りで盛り上がっている郡上八幡の街中を散策しました。その時、思いもかけず、県無形重要文化財指定の「奴踊り」の一行に出くわし、右のような大変興味深い踊りを目にすることになりました。(時間は午後3時半)子役の踊り手と獅子舞との掛け合いと踊りや囃子が大変面白い。八幡様の踊りのようですが、子供からお年寄りまですべての層を入れた踊りは、毎年変わらないのでしょうが、代々ゆっくりと伝えていって欲しいと思いますね。

 その日の後、数日夏を思わせる暑い日が続いたと思ったら、24日の週末はまた春先の寒い日になったりして、落ち着きません。その寒さが幸いして、4月下旬には珍しい、伊吹山の「春の白い駿馬」を再び見ることができました。朝6時半ごろには右のようなくっきりとした白馬の立ち姿をみることができましたが、8時ごろにはもう消えていましたIbuki White Horse, April冬の名残よ、消え急ぐな!)。よく見ると、左を向いた白馬と右を向いた黒馬が見て取れますね。(4月25日、マンションのベランダから朝6時20分撮影)

 4月になって、イラクなど中東はまだ混乱の真っ只中でまた色んな情報が駆け巡っていて落ち着かず、大学は国立大学法人としてスタートしました。法人になって初めて貰った給与明細を見ると、「労働保険」という項目が新たに加わりそのぶん手取りが減りました。「みなし公務員」という中途半端な感覚は、なんともこそばゆいですね。国立大学も「自己責任」で(これ、今年の流行語対象候補だね)、ということで法人化されましたが、制度は変わっても人心が一新されるのにはあと10年は必要かも。それに「国立大学法人」の制度自体も、あと10年持つかどうか。今後6年の中期目標のなかで制度自体の見直しが出てくるのではないかな?

一時、イラク人質事件で上も下も人質さんたちに対する「自己責任」論が一斉に吹き出していた感じですね。政府までもが公にそれほど叩くこったぁねーだろうよぅ、おしりぺんぺんも度を過ぎると内出血して酷い怪我になるよ、と思いました。客観的に冷静に見ると、このような戦争状態では、「事件」はなにかあるといろいろに利用されるのだなぁ、というのが感想として出てきて、前回紹介した「日本はなぜ敗れるのか−敗因 21カ条」(山本七平著)の内容(21カ条の中でも、5.精神的に弱かった、13.一人よがりで同情心が無い事、16.思想的に徹底したものが無かったこと、19.日本は人命を粗末にし、米国は大切にした、などの点;ただし最近の米国政権はその21カ条のかなりの部分が当てはまるようにも思えますが)にも関連して、頭を冷やせニッポン!と思いたくなります。幸い、海外からは少し冷や水が飛んできたようですが。

4月から研究室人数は、スタッフ2人入れて12人と昨年度のほぼ倍になりました。サッカー1チーム作れる人数ですな。あまり急がずじっくりとやっていこうと思います。

(2004.4.25)