短すぎる秋
10月の前半は、まだ例年より暑い日が多い感じでしたが、後半に入ると一転、最高でも10度台の寒い気温の日が多くなりました。再びここのサイトで
平年気温からのずれの経過をみると、8,9,10月と平年気温を上回る暑い日が多く、夏日が長く続いていたのに、10月下旬になって急に平年気温を下回る日が多くなっ
てきたのがわかります。秋がなかなか来ないなぁ、と思っていたら、秋を素通りして冬の入り口に来たかのようです。それでもまだ10月ですから、台風も発生
します。
台風14号は、この月末の週末にやってきて、土曜日にあったコアサイエンスティーチャー(CST)プログラムの集中講義が朝から夕方まであったのでどうな
るか心配だったのですが、岐阜には大した影響はなかったようです。このプログラム、本来は先週の日曜日に行われるはずだったのですが、その前日の土曜日
と、日曜日に全学の停電がほぼ全日行われることになったので、プログラムの予定を変更し、30日の土曜日になったもので、教育学部の3、4年生の忙しいス
ケジュールもあり(高山での教育実習を控えてもいたりして)、この土曜日の講義と実験の参加者は予定の半分ぐらいしかありませんでした。将来コアなサイエ
ンス教師を目指すプログラムなので、参加者の意識は相当高いと思います。彼らが近い将来、理科教育の現場に入った時に、是非うまく指導して科学と技術を目
指す若者を育てる大きな力になってほしいものです。
9月中旬に学会で北海道大学に行きましたが、最後の日に時間があったので理学部にある総合博物館に寄ってたくさんの資料を見てきました。そのあと、10月初めにノーベル化学賞の
発表があり、北大の鈴木章名誉教授が受賞されましたので、たぶんその博物館にはコーナーが設けられてノーベル賞の受賞を称えられていることでしょう。その
博物館では、見たときはマンモスなど進化がらみの展示が中心にあったと思いますし、あまり化学関係の部分は多くはなかったような印象でしたが、触媒研究に
業績がある大学だけに触媒関係の展示もあったような気がします。このノーベル賞では、北大自身もだいぶ力を入れて準備をしたという報道もありました。期待
していた人たちも多く北大にはいたのでしょう。その博物館で特に印象に残っていたのは、チゼリウス(Tiselius)の開発した巨大な電気泳動装置が展示されていたことでした。今は手のひらに載るくらいの小さな電気泳動装置が使われているので、当時の畳一畳分ぐらいの大きさの装置を見ると、さすがに隔世の感を覚えました。
この10月はデスクワークの多い月で、下旬に締切のあるReviewを
まとめるのに必死でした。それも20日までには編集委員に送付することができ、ほっとしています。しかし、ほかにも日本医師会も巻き込んだ「コレステロー
ル論争」も続いており、ご意見募集のホームページを見ていろんなご意見を寄せてこられる人も多く、その橋渡し役の仕事もあって気忙しい下旬でした。あと、
11月は、12月中旬のハワイでのPacifiChem2010のシンポジウムに備えて準備しなくては。
(2010.10.31)