研究内容


スタチン製剤による横紋筋融解症発症のメカニズムの解明と事前予測法の確立

スタチン製剤は高脂血症治療薬として広く用いられているが、重篤な副作用として横紋筋融解症が知られている。横紋筋融解症は致死的になりうる副作用であり、スタチン製剤の服用患者の多さを考えるとその発症予測と予防は臨床上極めて重要度が高い。当研究室では横紋筋融解症の発症メカニズムの解明と患者由来の末梢血単核細胞 (PBMC) を用いたスクリーニング法の確立を試みる。

インドールアミン酸素添加酵素の様々な疾患における役割と病態解析

インドールアミン酸素添加酵素(IDO)は、必須アミノ酸であるトリプトファンを基質とし、IFNγ、TNFαなどのサイトカインによって酵素誘導され、逆にIL4、一酸化窒素により酵素阻害されることで知られ、その生体内での生理的意義に関しては近年徐々に明らかとなっている。本研究では、IDOとトリプトファン代謝に着目し、免疫学的な関与を中心として病態解析を行っていく。

B型慢性肝炎 (CH-B) におけるImpaired cytotoxic T lymphocytes(CTL) Proliferationの機序の解明

B型急性肝炎・劇症肝炎においては、ウイルス特異的CTLの誘導が肝障害の引き金になっている。 CH-Bにおいては、CTLの存在は認められるが 、その数は著しく少なく機能も低下している。B型肝炎ウイルス(HBV) 量が多い程その傾向は顕著であることから、当教室ではHBV自体、あるいはHBV関連蛋白が、樹状細胞機能を低下させることを介して、CTL誘導に影響を与えているという可能性を想定し、CH-Bのmonocyte、HBV transgenic mouseの樹状細胞を用いて、そのメカニズムの解明を試みている。これらの機構を解明することは将来CH-Bの治療に新たな道を開く事になり、臨床的にも有用であると考えられる。

慢性肝炎でのIFN治療におけるT細胞応答についての研究

C型慢性肝炎(CH-C)の中心的治療薬はIFNα/βであるが、その有効率は40%程度で、十分な効果とは言えない。IFNの作用機序はC型肝炎ウイルスの転写に直接作用すること、免疫系を活性化させてウイルス排除を促すことと考えられている。しかしIFN投与とT細胞系の活性化については未だ不明の点が多い。さらに当教室では、IFNによって樹状細胞機能が低下することを見いだしており、このメカニズムの解明と、治療への応用を考えている。

2次元ナノLC/MSを用いた自己免疫疾患の病態解析システムに関する研究

疾患バイオマーカーを新たに発見しその測定系を確立することは、病態の把握と治療効果の判定に極めて重要である。新規バイオマーカーの発掘を目的とした各種疾患における血清のプロテオーム解析は、企業を中心に精力的におこなわれているが、いまだ確立された方法はない。我々は現在までに自己免疫疾患について関節リウマチを中心に早期診断、重症度評価を臨床検査医学の立場からデータを蓄積している。本研究は、二次元液体クロマトグラフィーと質量分析装置をオンライン化した2Dナノスプレー LC/MS/MSのシステムを用い、自己免疫疾患をターゲットとした血清中の新規バイオマーカーを同定し、さらには日常の臨床検査にも応用できるシステムの開発を主たる目的としている。自己免疫疾患は、免疫異常、炎症、慢性経過、多臓器浸襲を特徴とする疾患であるが、病型が多彩で診断に苦慮することが多く、それぞれの疾患において有効な血清の診断マーカーの発見が待たれている。

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