岐阜県のサボテンの生産は、(株)岐孝園が主体となっており、その他に数名の生産者がサボテン及び多肉植物を生産しています。
(株)岐孝園は1963年に設立され、現在10万uに及ぶ圃場で約300品種のサボテンや多肉植物が70名の従業員によって生産されています。
1960年当初は、商品流通が整備されていなかったため、現社長の加藤孝義氏自らが岐阜市内で露天を開いたり、役場や紡績会社などに直接販売をしたりと大変だったそうです。現在は岐阜花き流通センターを通じての販売が主力で、園芸店はもとより、ファンシーグッズショップなど園芸店以外での販売も行われています。
サボテンは砂で栽培するものといわれてきましたが、(株)岐孝園では水田転作作物として畑土で生産されています。適度な水と肥料が供給されることもあって成長が早く、コスト削減に貢献しています。
(株)岐孝園で生産されるサボテンは「プチサボテン」といい、サボテンにチリ原産のドライフラワーを付け、鉢砂には糊を混合して鉢から砂がこぼれないような工夫がされています。このプチサボテンの開発は、サボテンを飾る場所を広げることになり、テーブルの上や食卓など通常の鉢花物を飾る場所ではない用途を開発すると共に、いわゆる女子高校生の「カッワイイ」という感覚とマッチして、販路を拡大しました。