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Bunnik Plants

Bunnik Plants社は1988年に設立され、その後急成長した会社で、観葉植物を中心に鉢花物などを生産し、西ヨーロッパに販売しています。Bunnik Plants社は今回訪問した生産施設の他に4カ所に生産温室を持っているそうです。従業員は活気があり、規律正しく、仕事に対する責任感を感じました。
 事務所入口に、歴史的な昔のオランダの温室の写真が飾ってありました。木製のダッチライト温室で、現在の近代的なオランダの温室ばかりを見ていると、「オランダにもこういう時代があったんだなあ・・・」と感慨深く感じられました。

 とにかく広い面積で、温室の端から眺めると向こうが「かすんで」見える程です。栽培方式はすべてEbb & Flow方式による移動ベンチシステムで、潅水の代わりに液体肥料を潅液します。植物に吸収されなかった養液は回収し、紫外線殺菌装置で殺菌して再利用する「完全閉鎖型養液栽培システム」が導入されていました。
 ベンチは全自動搬送用ロボットによって栽培ベンチ間を移動し、出荷場への移動には「吊り下げ式のベンチ移動システム」も導入されていました。

 
見渡す限り「かすんで」見える栽培温室の光景    Ebb & Flowによる自動潅水システム      

 
左が紫外線殺菌装置で、右はオランダ語の説明で、Ebb & Flowシステムで栽培し、
UV殺菌で100%リサイクルシステムが採用されていることが表示されています。

  
全自動栽培ベッド搬送ロボットシステム(左2枚)と吊り下げ式ベッド移動システム(右)
栽培ベッドは中2階にも設置されているため、搬送ロボットは2階までベンチを挙げる能力があります。
吊り下げ式ベッド移動システムは、自由な場所にベンチを移動することが出来ます。

  
 
主に栽培されている品目は、アロカシア、シンゴニウムなどを中心とした観葉植物の鉢物が多く、
出荷されている商品の品質はかなり高いと思います。

 
省力化を目的にポッティング・マシーン(土詰め機)を活用した効率的な苗の定植作業が行われていました。
【右の画像をクリックしてください。ポッティング・マシーンを利用した定植作業のビデオが流れます】

栽培ベンチで生育した植物は、ベンチ搬送ロボットで出荷選別エリアに搬送されます。植物は、左写真のCCDカメラで自動的に撮影され、画像処理システムで生育状態を判別された後、出荷調整が行われます。
訪問したときには、グロキシニアの最終出荷調整が行われており、規格に合わないものはドシドシと廃棄処分にされていました。担当者いわく、「商品に対する会社のポリシーの問題で、満足できない商品を出荷することは出来ない」とのことでした。