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Kwekerij W. van Diemen

 Kwekerij W. van Diemen社はフィカス類(Ficus属植物:ベンジャミンやゴムなど)とミニバラの鉢物を生産する会社です。温室の総面積は50,000u(5ha、15,000坪)で、片側350m、奥行き150mあり、温室を見て回るだけで延べ2kmを歩きました。さすがに参加者全員歩き疲れて、足取りが重くなりました。

  

 フィカス類の生産部門では、主にベンジャミンの鉢物が多く、スタンダード仕立てのものが多く生産されていました。日本で話題のサンスベリアもありました。

  

 広大な面積の温室内の移動には「全自動搬送ロボット」が威力を発揮しており、栽培ベンチを乗せて温室内を行き来する光景は壮観でした。栽培が終了すると出荷調整ヤードに搬送され、出荷されていきます。出荷調整ヤードは中二階になっており、出荷調整ヤードの上にもベンチが並べられて栽培が行われていました。また、挿し木直後の管理などでは人工照明による管理が行われていました。

   

 自動搬送ロボットや人工照明による補光栽培などの電気は、コジェネシステムで発電されています。養液は全自動でコントロールされており、完全閉鎖型養液栽培システムが採用されていました。フィカス類の生産では熱殺菌が行われており、後述のミニバラ生産では生物的フィルター(サンドフィルター)と物理的フィルター(細密濾過)が併用されていました。

 

 ミニバラ生産部門では、フィカス類生産部門と同様に広大な面積の温室でミニバラの鉢物が生産されていました。フィカス類生産部門と同様に完全閉鎖型養液栽培システムが導入されており、生物的フィルター(サンドフィルター)と物理的フィルター(細密濾過)が併用されていました。
 養液に起因する病害(土壌病害)以外の病害虫の防除については、自走式の農薬散布機と細霧撒布機が設置されていました。

  

 人件費の削減を目的とした自動化が各所で導入されており、下のビデオは「栽培課程でのピンチ(切り戻し)機」の状況と、「パッケージ機」の実況です。
 画像をクリックしてください。

「栽培過程におけるピンチ(切り戻し)」のビデオが流れます。

移動ベンチ上で栽培されたミニバラは、ベンチごと自動ピンチ装置まで移動し、ピンチされます。自動ピンチ装置の下部には大型バリカン装置のような機械があり、切り取られた枝はブロアーで集められます。



 ピンチ(切り戻し)機によって切り取られた枝は、左の写真の白い箱に詰められて冷蔵庫に収納された後、東欧諸国((ポーランド)に航空便で輸送されます。ポーランドに輸送された切り枝は、「正常な基部の節」選別してカットされた後、再度Kwekerij W. van Diemen社に航空便で輸送され、挿し木用の穂木として利用されます。
 日本国内でのミニバラ生産では、ピンチ(切り戻し)と挿し穂調整は同時に行われていますが、オランダの人件費の高さ故の分業化ともいえるかもしれません。

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「出荷前の自動パッケージ」のビデオが流れます。

最終の出荷調整が終了したミニバラは、ベルトコンベアーに乗って流れてきた後、自動ラッピング装置を経由して綺麗にラッピングされます。