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Bunnik Vriesea's

 「Bunnik Vriesea's」は、Bunnik社のフリーセア(アナナスの仲間)の鉢物生産部門です。温室の総面積は30,000u(9,000坪)の広大な面積で、HAWE Systems Europe BV社の全自動搬送システムを導入した省力生産を行っています。
 このような全自動の鉢物生産形態は日本国内では見ることが出来ませんが、オランダでは各所で見かけることが出来ます。その理由の一つとして、@広大な温室面積の農地を容易に確保できること、A人件費が高いこと、BEU圏統合によって市場規模が拡大したこと、などが挙げられると思います。
 日本も、「アジア圏」を市場と考えることが出来るようになると、このような施設の整備が始まるのかもしれません。というよりは、日本の生産企業が中国に進出して、このような施設を作って生産することになるのでしょう。

   


 
画像をクリックしてください。

「ベンチの移送ロボット」のビデオが流れます。

栽培温室から移送されたベンチは、鉢が並んだ状態で選別エリアに移送されます。このベンチの移送は、全てコンピュータで管理され、移送先も自動で制御されています。


 ベンチに並べられた苗は、ベンチごと下の写真のベンチ移動ロボットによって温室内を移動しながら、潅水などの栽培管理が自動的に行われていきます。
 【上の写真をクリックしてください。ベンチ移動ロボットがベンチを移送している光景をビデオで見ることが出来ます】
 ある程度生育すると、生育を揃えるために選別が行われます。上右の写真は選別装置の内部を撮影したものですが、CCDカメラで植物を撮影して自動的に生長量を判別して選別が行われます。
 選別されたものは、再度同じ生長量のものを集めて、鉢間隔を広げてベンチに並べ替えられます。当然この作業も自動的にロボットが行います。
 【下の写真をクリックしてください。ロボットの並べ替え作業をビデオで見ることが出来ます】

 
画像をクリックしてください。

「鉢の自動整列機」のビデオが流れます。

栽培温室から移送されたフリーシア(アナナスの仲間)の鉢物は、画面右にある自動カメラ選別機で選別された後、ベルトコンベアーに乗って移動し、設定された鉢間隔で揃えられた後、再度移動ベンチにきれいに並べられます。

   

 施設の一部は資材管理などの施設にあてられています。「ベンチの収納スペース」や「鉢の自動選別・整列機」、養液の調整・殺菌施設」などがあります。そのスペースの有効利用方法として、中2階の構造になっていて、上右の写真のように2階部分(いわゆる屋根裏部屋)には栽培ベンチが並んで『栽培スペース』として活用されていました。
 培養液は完全循環方式(閉鎖系施設)となっており、余剰養液は回収されて、上左2枚目のような加熱ボイラーで殺菌処理された後、再利用されていました。加熱後の冷却は自然放熱で行っています。

    

 フリーセアの栽培期間は長く、約1年間を要します。栽培期間が長期間にわたるため生育ムラが出やすいこともあり、出荷段階でロスが出てきます。Bunnik Vriesea'sでは生産物の高い評価を第一に考えており、一定の品質が維持できないものについては積極的に廃棄処分を行っていました。廃棄された植物は専用の生物廃棄物処理業者が回収して、堆肥化を行っていました。
 最終的な出荷調整(枯れた下葉の整理や植え替えなど)は人間が行っており、手際よく処理されています。

  

 最終調整が行われたものは自動搬送ベルトコンベアーで出荷場に搬送され、パッキングされます。

 

 玄関入口の正面脇の部屋にはスタジオ設備が常備されており、生産物の展示、撮影が行われていました。