Royal van Zanten社は世界的に有名な球根および宿根草の育種会社です。大きく分けて「Van Zanten Research B.V.」「Van Zanten Cutting B.V.」「Van Zanten Flowerbulbs B.V.」「Van Zanten Plants B.V.」「Van Zanten Flowerconcepts B.V.」の5社からなる巨大育種会社です。
今回はVan Zanten Research B.V.を訪問しました。Van Zanten Research B.V.の前身はVan Staaveren B.V.です。Van Staaveren B.V.社は2000年に訪問したことがあり、オランダで環境対策企業評価「ECOgen」指定の第1号として有名なアルストロメリアの育種会社でしたが、Royal van Zanten社に吸収され、Van Zanten Research B.V.となっていました。
Van Staaveren B.V.社から引き継がれた環境対策は、Van Zanten Research B.V.社となった現在も継続されており、天敵を用いた防除法が積極的に行われていました。下の写真左はハダニの天敵防除資材で、写真中はアブラムシの天敵を飼育するための「バンカープランツ」のコムギです。写真右は少し判りにくいですが、天窓などの開放部は全て網で覆われており、外部からの害虫の進入を防ぐ構造になっていました。
訪問した前の週に新品種展示会があったとのことで、鉢物用のアルストロメリアの品種やキクが展示されていました。
大規模な苗生産システムが行われており、温室の床全体がプール状になっており、養液が床数pの深さで一定時間毎に溜まるシステムになっており、温室全体がプール栽培システムとなっています。鉢物の栽培には専用のシステムトレーが用いられており、トレー自体に一定の深さで養液が溜まるようになっています。
今回の視察では培養施設を見ることができませんでしたが、アルストロメリアの他、多くの宿根草で組織培養による大量増殖が行われており、ヨーロッパ特有の発泡スチロールプラグトレーで順化が行われています。いずれの苗も品質は高く、生育が良く揃っていました。