★上海鮮花港
(上海浦東新区南匯県東海鎮)
上海鮮花港は,花き生産と観光を兼ね備えた生産会社です。
訪問したのは2006年2月でしたが,3月下旬から4月にかけて28haの面積に300品種,320万球のチューリップが咲き誇る観光公園(テーマパーク)がオープンする直前でした。チューリップの観光公園は2005年に開場し,昨年は10万人の観光客が訪れたそうです。チューリップの植え付けには中国東北地方で産出される草炭を用いて土壌改良を行っていました。チューリップ公園のモデルは,オランダのキューケンホッフ公園で,当然のことですが,オランダから毎年300万球以上のチューリップ球根を10月に輸入して植栽していました。入場料は60元/人です。
切花・鉢物生産温室は総面積40haで,一部で中国国産温室が用いられているが,ほとんどはオランダからの輸入温室です。温室建設費は1,000〜2,000元/uとのことで,日本円に換算すると50,000〜99,000円/坪に相当し,かなり高い買い物だったのではないかと思います。
上海鮮花港のある場所は,上海浦東空港の南にある南匯地区で,海がすぐ近くにあります。当然ですが,地下水は塩水が混入するため潅水用の水は雨水を溜めて使用しています。
温室では,自社で生産も行っていますが,台湾,イスラエル,ベルギーの育種会社や生産会社にレンタルしているとのことです。レンタル料は,60万元/ha/年(3,000円/坪/年)とのことです。
自社生産は,3haのグズマニア生産が行われていました。品種は3品種です。温室は軒高が5mと高く,快適な生産環境です。販売価格を尋ねたところ,一般販売の場合には60元(900円)/鉢で,大口需要の場合には30〜45元(450〜675円)とのことでした。当然,苗は全量ヨーロッパからの輸入苗です。
アンスリウムの品質は結構高いと感じました。ハイドロカルチャーで生産されており,鉢は水位表示装置が付いている特殊なものです。これであれば消費者が潅水管理に困ることはないと思います。
アンスリウムの鉢物生産は,温室の床に直接並べて生産しています。従って,環境測定用のセンサーは鉢の高さと同じ高さに設置されていました。