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2000年8月17日から26日まで、中国 北京、広西省を訪問いたしました。
北京では緑化木生産を視察し、広西省では南寧市の広西大学農学院周辺の野菜生産を視察いたしました。

北京での花き生産
  北京の花きの需要は、主に、@道路の路側緑地帯や中央分離帯、あるいは公園施設、建築物周辺などの公共空間の緑化木、 A開店や結婚式などの慶事の際の花飾りなどで、個人消費としてはまだまだ未開拓の状態です。
  昨年、昆明で開催された世界花博覧会を契機に、個人消費についても関心が高まっているが、充分に利用が拡大しているまでには至っていない。


      北京博物館での催しの時の花飾り

広西省 広西大学農学院の友人たち

   
左:于文進講師、中:福井、右:龍明華教授       岐阜大学に留学予定の于文進講師



 南寧市武鳴県のメロン産地    最近は、このようなパイプハウスが普及し始め、竹の骨組みのものは少なくなってきている。

 
南寧市蔬菜研究所で試験をしていたカエルを使った天敵防除。害虫が少なくなったときには餌をやって飼育していた。
害虫密度が低い場合には、カエルの個体数維持が困難となるが、葉菜類が順調に生育していた。

南寧市広西現代農業技術展示中心の施設。 南寧市は亜熱帯地域なので、高温対策と害虫対策が施設園芸の大きな部分を占める。
したがって、いずれの施設も防虫ネットを用いて施設全体を囲っていた。
寒冷紗と細霧冷房を併用して高温対策を行っていた。



 中国の農業関係の研究機関を視察して、常に感じることですが、現場の農家の設備と試験研究機関の設備があまりにも大きく違いすぎて、研究機関での成果が現場の農家にほとんど利用されていません。
 農家に生産技術を指導する指導体制が整わない限り、中国の園芸生産が飛躍的に伸びることはないのではないかとの疑問を感じます。


広西省はバナナの生産が中国国内で最も多く、その苗は全て組織培養苗が用いられています。組織培養苗の供給の約半数が、広西大学農学院で生産されており、その数は年間2000万本に達するとのことです。ちなみに培養苗の価格は、1本0.6元(8円)程度です。農家はこの培養苗を毎年購入して定植しています。

中国では、日本と異なり市場が完備されていません。いわゆる直接相対取引が主流です。大きなマーケットでは、さながら動物園や水族館の様相です。現在、高速道路を始め公共交通網の整備が急速に行われているが、これと相前後して市場流通が大きな動きとなっていくものと思われる。以前と比べて、野菜なども荷姿が良くなって来始めており、商品としての取引に対する興味が高まっているものと推察する。


花き流通に関しても、野菜と同様に直接相対が主流であるが、北京、広州などではオランダ方式のセリが行われ始めているようである。
今回は訪問できなかったが、北京郊外に10月よりオランダ式セリ市場が完成するとの情報が得られた。



今回は、観光日程がほとんどなく、農家回りがほとんどでした。しかし、北京動物園でパンダをみることが出来、天壇公園、万里の長城、桂林などを土日を利用して行ってきました。中国の雰囲気をお楽しみ下さい。