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シンポジウムを開催いたしました 


革新的医療研究開発で挑む神経変性疾患―プリオン病治験体制の確立に向けて―





日時 平成272/14[] 13:00~18:50(開場12:30) 
場所 名古屋国際会議場 国際会議室(3号館3階)

19:00~21:00情報交換会(展望レストランパステル(税込6,000円))
先着300名様 入場無料 




厚生労働省の推計によれば、2025年には認知症の人は約700万人前後になり、65歳以上高齢者に対する割合は5人に1人となる見込みです。平成27127日に発表された新オレンジプランでは、認知症の予防法、診断法、治療法の開発を推進することが明記されています。平成2741日には独立行政法人日本医療研究開発機構が発足し、アカデミアが一丸となって医薬品医療機器開発に本格的に取り組みはじめます。本シンポジウムでは、認知症のなかでも、希少疾患であるプリオン病に焦点をあて、その治療薬開発を主要なテーマとして取り上げたいと存じます。

プリオン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患は、異常な構造を有する蛋白質が自己複製し、やがて脳の神経細胞が死滅する病気です。その治療には、正常な構造を安定化させ、異常な構造を抑制する薬剤を開発する必要があります。現代における量子サイエンスの発展に伴い、目的に合う分子を論理的に設計・合成することが可能となりました。しかし、それが薬剤となるためには、薬事法及びICHに基づくレギュラトリーサイエンスを通じて、その効果と安全性が実証されなければなりません。これらの多くの難題を克服し、プリオン病(ヤコブ病などを含む)の治験体制が確立されようとしています。その現況を分かりやすく、市民の皆様にお伝えするのが本シンポジウムの狙いです。

私が医学生の頃(1980年代)、神経変性疾患は、原因が不明で治療法もありませんでした、1990年代になると、その原因がそれぞれの疾患特有の蛋白質にあることが分って来ました。1997年米国のStanley B. Prusiner博士が、クロイツフェルト・ヤコブ病(プリオン病)の原因となるプリオン(主にプリオン蛋白質からなる)の発見により、ノーベル賞を受賞しました。これ以降、神経変性疾患に関連する蛋白質の研究が進みました。その結果、2010年代にはプリオン病以外の神経変性疾患も基本的には、プリオンライクな原因で発症すると考えられるようになりました。神経変性疾患の原因が分かった事により、その治療薬開発が世界的に進められています。プリオン病に対しても、ドキシサイクリンの治験が欧州で行われましたが、効果のない事が分りました。本邦においては、プリオン病に対してヒトにはじめて投与する化合物を対象とする世界初の治験体制が出来上がろうとしています。本シンポジウムの成果としてプリオン病治療薬開発戦略について関係者のコンセンサスが得られ、国際治験に向けての産官学連携が促進されることを願っています。


■プログラム

第1部 プリオン病制圧戦略

座長:岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 教授 桑田一夫先生

13:00-13:30 ご挨拶・趣旨説明「プリオン病制圧戦略について」先端医療振興財団臨床研究情報センター長 福島雅典先生

13:30-14:00「本邦における孤発性CJDの地域集積性と臨床症状による予後分類-難治性疾患克服研究事業データの解析-」先端医療振興財団臨床研究情報センター 中谷英仁先生

第2部 医師主導治験計画の概要

座長:東北大学大学院医学系研究科 病態神経学分野 客員教授 毛利資郎先生

14:00-14:30「プリオン病治験体制の整備」岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 教授 桑田一夫先生

14:30-15:00「わが国におけるプリオン病のサーベイランスと臨床研究コンソーシアムJACOP」国立精神・神経医療研究センター病院 病院長  水澤英洋先生

15:00-15:30「国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンターにおける医師主導治験の実際」独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター

トランスレーショナル・メディカルセンター長 武田伸一先生

第3部 新しい診断法・治療法への取り組み

座長:徳島大学疾患酵素学研究センター 神経変性疾患研究部門 教授 坂口 末廣先生

15:35-16:05「プリオン病の早期画像診断の現状」岩手医科大学医歯薬総合研究所 超高磁場MRI診断・病態研究部門 教授 佐々木真理先生

16:05-16:35「プリオン病の超早期診断の試み」長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染分子解析学分野 教授   西田教行先生

16:35-17:05「プリオン病治療実験モデル系確立の試み-免疫療法と細胞治療の可能性-北海道大学大学院獣医学研究科獣医衛生学教室  教授 堀内基広先生

第4部 プリオン病発症機序の解明

座長:岩手医科大学医歯薬総合研究所 超高磁場MRI診断・病態研究部門 教授 佐々木真理先生

17:10-17:40「プリオン病におけるポストゴルジ小胞輸送障害」徳島大学疾患酵素学研究センター 神経変性疾患研究部門 教授 坂口末廣先生

17:40-18:10「動物実験によるプリオン病の病態解析」農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 横山隆先生

第5部 プリオン病治療の可能性

座長:岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 教授 桑田一夫先生

18:10-18:40 パネルディスカッション  
プリオン感染ザルを用いた抗プリオン治療薬の有効性・安全性評価独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター 柴田 宏昭先生
パネラー:桑田一夫先生、水澤英洋先生、西田教行先生
、柴田 宏昭先生  ディスカッションリーダー:坂口末廣先生

18:40-18:50  まとめ 東北大学大学院医学系研究科 病態神経学分野 客員教授 毛利資郎先生



主催 国立大学法人 岐阜大学

共催 一般社団法人 ARO協議会

   公益財団法人 先端医療振興財団

後援 文部科学省、厚生労働省



岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科医療情報学専攻

大学院医学系研究科遺伝発生学分野

応用生物科学部野生動物管理学研究センター
人獣共通感染症研究部門

研究推進・社会連携機構 学術院 生命科学研究部門